YAMAPで計測
登山時間6時間34分 休憩時間40分 距離14.4㎞ 上り1216m/1211m
■ルート 8:38 高速バス中央道笹子 11:42 滝子山(1610m)15:12 中央道笹子
今回は大月市が選ぶ秀麗富嶽十二景の一つ、滝子山(1610m)です。
大月市は富士山が美しく望める山々の中から、12か所を選び、「秀麗富嶽十二景」としています。それらから撮影した富士山の写真のコンテストも開いています。行きやすい低山500m級の低山から1995mの高い山まであります。
妻に誘われて仕方なく登山を始めて少したったころーまだ登山イヤイヤ期だったころですが、登る山の選定に関しては下山後ビール飲めるところにしてくれ、しんどいのは嫌、できれば富士山が見えるところ、とアレコレわがままを言っておりまして、必然的に秀麗富嶽十二景の低山をヘビロテすることとなりました。 登り始めるとこなきゃよかったと思い、でも山頂から富士山を眺めると、また来てもいいかな、と思ったものでした。
当時、行かず仕舞だった高めの山に行ってみよう、ということで滝子山を選びました。 車を持たない我々は普段、電車かレンタカーで登山をしていますが、この滝子山は高速バス(新宿発)で行けるのがミソです。
高速の途中にバス停があり、階段を下りて登山口に向かいます。ゲートには「クマ出没注意の警告。妻の鈴をリュックのポケットから出しました。歩くたびにチリンチリンとなります。 立山に行ったときに買ったものですが、当時は妻のほかに登山する家人はおらず、温泉に入り、立山ダムとトロッコ電車だけ乗って帰ってきました。山は見えてたと思うけど、なんの感慨もなく・・・
滝子山はその名のごとく、滝がたくさんありました。山頂まではときどき鎖場はあるものの、それほどは大変ではありません。もっとも、低山以外は嫌だと言っていた登山イヤイヤ期だったら参っていたに違いありませんが。もしかしたら少しは体力もついて、登山のスキルも上がっているのかもしれない、と考えるとうれしいです。
山頂はわりと小さく、標識の近くはすぐに一杯になってしまうため、少し降りた傾斜のところで昼食をとることにしました。
日本人はやっぱり富士山が好き。ちょっとガスっていたのが残念ですが、美しすぎます。 コストコで買ったおこげスープだったと思いますが、富士山を見ながら食べれば何でもおいしいです。
休憩を取り、同じ道をたどって帰るか、そのまま向こう側に降りるかの選択に。同じ道をたどって帰るほどつまらないものはないので向こう側に降りることにしました。 時々看板が出ており、「遭難が多い」「危険」「引き返すことも選択肢」のような脅し文句が並びます。しかし、向かいから還暦は過ぎたと思われる(違ったらすみません)女性二人が息も乱さず、「この花はねえー、トリカブトなのよー」なんてライトな会話もしているし、私より年上と思われるオジサマも登ってきたりして、のぼりができるなら下りもできるだろう、そう思っていました。
ところが・・・段差がだんだん大きくなり、次第に小さな崖をなんども降りるような形に。最初は前に降りていましたが、やがてそれでは対応できず、後ろ向きに降りるように、それでも足をどこにかけていいか迷い、緊張が続きます。滑落とか遭難なんて言葉が頭をよぎります。「東京都在住の会社員XXさん(アラフィフ)が滑落し、捜索が続いています。」なんてニュースが流れて、と想像がふくらみます。 ところで、なんらかのアクシデントに見舞われた人の年齢がニュースで読まれるとき、幼い子だと皆顔をしかめ、若い人だとまだ将来があるのにと気の毒に思い、30代はご家族は大丈夫だろうかなどと顔を見合わせて心配するのに、なぜアラフィフだと「あぁ」の感情くらいしか湧きあがらないのでしょうか。
アラフィフで幼子を抱えているわけはないけど、こちとらアクシデントは御免です。
ついぞ、これ以上進むのは危険だと判断して、山頂まで引き返し、登ってきた道を引き返すという選択をしました。登るのと降りるのとでは大違いでした。
時間をロスしたけど、なんとか帰りのバスに間に合いました。高速バスはわりと快適だったのでまた使いたい、と考えていたら、事故渋滞の知らせが来ました。のろのろ運転が続き、到着は大幅に遅れてあたりはすっかり暗くなってしまいました。
バスにトイレがあるけど、運転手さんは道の真ん中に止めてトイレに行くわけにもいかず、大変な仕事だな、と思いました。