7:29天神平駅(ロープウエイ)7:52熊穴沢ノ頭 8:06熊穴沢避難小屋 8:38天狗の留まり場 9:16肩ノ小屋 9:26 谷川岳(トマの耳)10:35天狗の留まり場11:52天神平駅(ロープウエイ)
谷川岳です。遭難者数世界一。ヒマラヤ山脈で命を落としたアルピニストの合計よりも多い死者数とか、そんな能書きを読んでいたので恐れ多くて足が向きませんでした。しかし、本を読むと確かに難しい山ではあるけれども、遭難者が発生していたのはかなり昔のことで、いまは初心者向けの登山コースもあるとのこと。分別のあるシニアのにわかアルピニスト←としては、ロープウエイで行けるところまで行って、そこからなるべく優しいコースで行くことにしました。
前日の晩に車を借りて、朝3時の出発。 行動食はIC降りてからのセブンイレブンでの調達。ロープウエイは始発を目指していかないとかなり待たされることになるとの経験者からのありがたいティップスのおかげで無事駐車場にも停められ、それでも少しならんだけれどもチケットも買えました。我々夫婦は畏れ多いタニさまということで防寒、防水など装備もバッチリなのに対して、カジュアルな恰好の方々もちらほら。
しかし、ここで問題が。直前まで確認していた天気予報がハズれて、にわか雨が降りだしたのです。ロープウエイに乗り込んだほかの山人たちも「話が違う」と緊張した面持ち。駅につき、リュックが濡れないようにリュックに備え付けの防水カバーを付けるなど、準備を始めます。置き場所があるわけでもなく、慣れない私たちはすっかり時間をロスしてしまいました。
登っていくと、雨が降ったりやんだり、かなり風が強かったり、下界の景色も曇っていたりぱーっと鮮やかに晴れていたり。 谷川岳は1977mとそれほど標高はないけれども、難易度が高いのは変わりやすい天気もあるのかもしれないと思いました。
登山客は割と多く、ところどころ渋滞に。子連れもいて、中にはスニーカーにユニクロっぽいフリースの子供などもおり、山をナメた不心得者、とブツブツ文句を言いながら登山をしました。鎖をつかって岩場をよじ登ったり、なかなかスリリング。
途中、天狗の留まり場という岩場があり、立ち寄ろうかとおもったけど体力を消耗しそうなので先を急ぐことに。そこでアラフィフの山男のこんな会話がきけました。
「留まり場、のぼるか?」
「いやいいよ、のぼったことあるし」
「お前とはのぼってないだろ」
「そっか」
ほっこりしながらも先を急ぐと、眼下の景色は曇ったり晴れたり、目まぐるしく変わります。
そのうち、あたりは銀世界に。風が雪をふきつけたように、砂鉄のようにささくれだった雪が標識などを覆っていました。いやはや、谷川岳は気が抜けない。
実は登山開始してから間もなくから、トイレに行きたいと思っておりました。年をとったせいでしょうか、寒さのせいでしょうか、登山前にすませたつもりなのに・・・ すると、山小屋近くに工事現場にあるような簡易トイレがあり、100円を払って利用することに。ぼっちゃん便所で、お釣りがくるんじゃないかと心配しつつ(とはいえ小のほうです)、すませました。
登頂すると、狭い山頂には記念撮影の人々が列をつくっておりました。お互い、声をかけあって撮ってあげてます。普段は山頂付近で昼飯を食べるのですが、寒いし狭いしでそのような余裕はなく、その先にもう一つ山頂があるので、そちらのほうに向かいました。ところが・・・ 私たちより先に向かった山装備のカップルが引き返してきました。私たちの視線に気づいたのか、「今日のところは勘弁してやります 笑」 かなり危険なルートなのか、と恐る恐る歩みをすすめるも、狭くて視界が悪く、足が止まりました。「お、俺らもこの辺で勘弁してやるか!」と言いつつ踵を返しました。
谷川岳は緊張の連続で、ふもとにおりて、水上温泉郷のあたりに来たところでホッとしました。バブル時期につくられたようなリゾートマンションの相場をしらべたり(200万円台)、農産物を見たりしながら帰りました。